[アレニウス式:k=Aexp{E/RT} k:反応速度定数 A:頻度因子 E:活性化エネルギー R:気体定数 T:温度]
例えば、Eが35.8キロジュール/モルの時、40℃では25℃の2倍の速さで反応は進む。
実験時間を短縮するために設定する実験条件(加速 試験)として国際的に「40℃」が用いられることが通例となり、我が国でもこの温度を用いている。 医薬品の安定性には温度の他、湿度も大きな影響を与える。湿度が高い程製剤中の水分含量が増し、加水分解を始めとする分解反応は促進される。考えられる湿度条件(0〜100%RH)のうち制御可能な高湿度として75%RHが多くの国で用いられるようになり、現在のICHでも"過酷条件"として40℃、75%RHが国際的に妥当な値として考えられている。
どのように染色体はchemistyに関係ありません
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しかし、経時的変化の速度が温度によってどのように変化するか、速度の温度依存性が明らかでないと、この方法による予測はできません。薬物が化学反応によってのみ変化し、その速度の温度依存性がアレニウス式(1式)に従う場合では、精度よい予測が可能です。
また、化学反応であっても、加速条件と通常の保存条件で反応メカニズムが異なるような場合には温度依存性がアレニウス式に従わず、予測が難しいことがあります。
さらに、製剤中の薬物が経時的に結晶形の変化などの物理的� ��化を示す場合にも同様に、温度依存性が複雑で予測ができない場合が多くみられます。
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FDAは、PATの標準的なプロセスの検討を、米国材料試験協会(ASTM:American Society for Testing and Materials)に依頼して進めておりますが、ここでは、いろいろな試験法等の標準的なプロセスに関して、ASTM下部組織の委員会を中心に具体的検討されています。PATは、Committee E55という委員会で検討されていますが、この委員会はさらに4つの組織からなっています。
E55.01 PAT Systems Management
E55.02 PAT Systems Implementation & Practice
E55.90 Exective Subcommittee
E55.91 Terminology
製剤機械技術研究会誌 13(3)、71(2004)の委員会だよりの中で、この委員会の目的等について説明されていますので参照してください。また、ASTMのホームページを参照してください。
(参)
ASTM:
どのようにリンクされている遺伝子が継承された
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医薬品の安定性試験の条件としては、ICHのガイドラインでは世界を4つの気候区域(ゾーンI〜IV)に分類し、このうちゾーンIIの地域(ヨーロッパ、米国、日本)における長期保存試験条件として25℃/60%RH、加速試験条件として40℃/75%RHを設定しています。しかし、例えば、高温・乾燥のゾーンIIIや高温多湿のゾーンIVで安定性を考える場合、このゾーンIIの条件では、安定な期間を長く見積もってしまうことが容易に想像されます。そこで、ICHのガイドラインではこうした地域の長期保存安定性条件を、現地の実際の気温等を基に下記のように設定しています。しかし、加速試験の条件は、ゾーンIIの領域と同じです。ちなみに、ゾーンIII及びゾーンIVには次のような都市� ��含まれます。
ゾーンIII: 30℃/35% 主要な都市: アスワン、バグダット、ニューデリー、リヤド、スエズ
ゾーンIV: 30℃/70% 主要な都市: バンコック、ジャカルタ、マニラ、リオデジャネイロ、台北
(参)
1) ICHガイドライン:気候区域III及びIVにおける承認申請のための安定性試験成績に関するガイドライン
2) W.Grimm, Drug Develop. Ind. Pharm., 24(4),313-325(1998)
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夏場や梅雨時では適当な保管場所であっても、上記貯法の範囲を逸脱する期間のあることが予想されますが、この� ��合、加速試験において有効期間中・流通期間中に起こり得る貯法からの短期的な逸脱の影響が確認されておりますので、短期的な温度上昇への安定性は確認されていると推察できます。また、湿度においても医薬品毎に感受性に応じた包装形態が施されておりますので、短期的な多湿に対する安定性も確保されているものと考えられます。
(参考文献、HP)
国立医薬品食品衛生研究所HP ICHガイドライン
第14改正日本薬局方解説書 (廣川書店 刊行)
製剤機械研究会HP Q&Aコーナー「品質管理に関するもの」
[教えて!goo]医薬品の保存条件
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- 薬物の含量低下速度は1次反応で進む。 d[A]/dt=-k[A]
- 含量低下は温度に依存し保存条件下の湿度に依存しない。
- 反応の活性化エネルギーは変化しない。
この場合、含量低下速度定数は、Arrhenius式により表されることになります。さて、これに基づいてご質問に回答したいと思います。今測定する温度をT1(40℃)及びT2(60℃)と、その時の含量低下速度定数をkT1(40℃)、kT2(60℃)とします。
kobs =a x exp(-E/RT) ・・・・・Arrhenius式
ほとんどの場合、kT2>kT1であると考えられますので、R=1.987cal/mol/degとしますと、両温度における含量低下速度定数の比は、
kT2/kT1=10(E x 0.000042) ( 或は kT2/kT1=e(E x 0.0000966) )
となり、従って活性化エネルギーによって反応速度定数比は、下記のようになります。
E=1kcal/mol kT2/kT1=1.10
E=5kcal/molkT2/kT1=1.62
E = 10 kcal/molkT2/kT1=2.63
E = 15 kcal/molkT2/kT1=4.27
E = 20 kcal/molkT2/kT1=6.92
E = 25 kcal/molkT2/kT1=11.22
・・・・・・1式
一方、1次で分解が生じる場合、分解率は下記の式で示されることから、αだけ分解するのに必要な時間は、次式で表わされます。
log [A] = log [A0 ]-k x t ・・・・・ [A0 ]:t=0の時の薬物量
ゆえに logα =log[A0 ] + k40 x t40(40℃の場合)、logα =log [A0 ] + k60 x t60(60℃の場合)
従って、t40/t60 = k60/k40となり、 故に、t40 = 6 M の場合で、活性化エネルギーが1式の値の時には、t60は下記の期間となります。
E=1kcal/mol t60=5.45 M
E=5kcal/molt60=3.70 M
E = 10 kcal/molt60=2.28 M
E = 15 kcal/molt60=1.36 M
E = 20 kcal/molt60=0.87 M
E = 25 kcal/molt60=0.53 M
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最終的な回答で、E=1,5,10,15,20,25kcal/molの場合ということで、それぞれt60を計算していただいています。ここで40℃での6ヶ月が25℃での3年に相当するのはE=22.1kcal/molである(吉岡澄江、医薬品の安定性、p.142, 1995、南江堂)という記載があります。
E=22.1kcal/molでのt60について計算していただけないでしょうか?
前回回答した方法と同じ考え方で25℃の反応速度と40℃の時の反応速度の比をアレニウス式から求めると
k2/k1= 10(Ex0.000035)
k2:40℃の反応速度、k1:25℃での反応速度、E:活性化エネルギー
ここでE=22.1kcal/molであることから
k2/k1=100.7765=5.9873
となります。
したがって、40℃で6M(t40)のときに、25℃で何ヶ月(t25)なるかは次式から求められます。
t25/t40=5.9873
t25=5.9873x6=35.87(M)
したがって、「医薬品の安定性」に記載されていますように約3年となります。
次に、同� ��にしてE=22.1kcal/molのときで60℃の場合(t60)を考えて見ます。
k2/k1=100.9282=8.476(k2:60℃の反応速度、k1:40℃の反応速度) となります。
したがって、t40/t60=k2/k1=8.476となることから、t40=6Mのときには、
t60=0.707(M) 約21日となります。
<追記>
なお、SI単位の採用によりcal (カロリー)ではなく、J(ジュール)が単位として使用されるようになった。今回の計算においてもJで計算する方が好ましい。その場合、1 cal = 4.2Jとして計算を行う。
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通常、加速試験の結果は、あくまで加速試験の結果であり、室温での安定性を保証あるいは予測するものではありません。医薬品の分解・劣化のメカニズムなどを十分に検討した上で、安定性の予測を検討することが必要となります。平成15年6月3日に出されました「安定性データの評価に関するガイドライン」(医薬審発第0603004号)なども参考になります。
ただし、以下の仮定基づき、5年を保証するために40℃/75%RHで何ヶ月安定でなければならないか推定はできます。当然のことながら仮定が成立しない場合には推定は無効です。
仮定:反応速度定数には、Arrhenius式が成立し、安定性に関する分解反応は1次反応で進む。また、この反応に湿度は影響しないこと。40℃/75%RHの6ヶ月(0.5Y)における分解と室温で3年(3Y)の分解が同じである分解の活性化エネルギーを有する。
最初の仮定から室温での分解速度定数(k室)と40℃での分解速度定数(k40)の比は、次のようになり定数となります。
k40/k室 = Exp(E/R(1/T298-1/T313)) ・・・・・(1)式
次に、1次の分解反応(40度)は次式で表されます。
A = A0 x Exp(-k40 x t) ・・・・・(2)式
A : t時間後の残存量、A0 : 初期薬物量
ここで40℃/75%RHの6ヶ月(0.5Y)における分解と室温で3年(3Y)の分解が同じであるとしますと、(2)式より次式が誘導されます。
Exp(-k40 x 0.5) = Exp(-k室 x 3) ・・・・(3)式
つまり k40 x 0.5 = k室 x 3 ⇒ k40/k室 = 6 ・・・(4)式
さて、室温で4年(4Y)もしくは5年(5Y)を保証するためには、(3)式より
k40 x X = k室 x 4 (or 5) 従って、X = k室/k40 x 4 (or 5)
この式に、(4)式の結果を入れると X = 1/6 x 4 (or 5) つまり、X = 0.67 or 0.83 (Y) 4年保証するためには、8ヶ月、5年保証するためには、10ヶ月安定であることが必要となります。
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開封後の保証ですが、「開封後」といいますといろいろな場合が想定され、それらを全て「保証」することは困難であろうと思います。従いまして、保証というよりは「目安」といった感覚の方が現実的ではないかと思います。
では、開封後としてどのような条件を考えたらよいかですが、(社)日本病院薬剤師会では、「錠剤・カプセル剤の無包装状態での安定性試験について(答申)」とする答申を行っておりますが、これはまだ規定されたものとはなっていません。この答申によりますと、
- 温度に対する試験:40℃±2℃(遮光・気密容器(瓶))3ヶ月
- 湿度に対する試験:
75%RH±5%/25℃±2℃(遮光・開放)3ヶ月
(夏季)75%RH±5%/30℃±2℃(遮光・開放)3ヶ月
尚、90日処方が認められている製剤は、保存期間6ヶ月。 - 光に対する安定性試験:曝光量 60lux/hr以上(気密容器)とされています。
尚、病院・薬剤部における環境につきましては、小野薬品M水谷らによる調査結果があります。このような結果を下に、試験期間や条件を設定することも検討すべきではないかと考えます。
参考文献
水谷、笹谷、"病院調剤室における温湿度分布と防湿包装の設計"、製剤と機械、平成2年6月15日
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(認められているという意味が微妙ですが)分析法としてはIR、ラマン、テラヘルツ、アコースティックエミッション、レーザー誘起ブレークダウン分光法、熱浸透率計などがあります。その他、一般に使用されている温度計や水分計、電流/電圧計、重量センサー、打錠機の圧力センサーなどもPAT機器といえます。
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この質問は、RTRとRTRTが混同されているような気がします。 Real-Time Release(RTR)は、Real-Time Release Testing(RTRT)と、GMP上必要な品質に関する出荷の判断がプラスされたものです。一方、RTRTとは、工程の理解及び工程での品質の作り込み(QbD:Quality by Design)やPATツールを用いた重要工程モニタリング等により、出荷試験のいくつかの項目を省略することです。
なお、2006年にStep 5となったICH Q8ガイドライン、及び2007年11月に発表されているAnnex(Step2)には、RTRについて記載されていますが、2009年8月にStep4となったICH Q8(R2)では、RTRという表現はなく、RTRTとなっております。したがって、現在ICHガイドラインでは、RTRTとなっていることに留意する必要があります。
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- バイオ医薬品の製品特性
抗体医薬、遺伝子組換えタンパク等のバイオ医薬品は低分子化学合製品に比較して高分子でしかもその多くは糖鎖を含む複雑な構造を有します。一般にバイオ医薬品の多くは、有効成分が変化しやすい不安定な糖タンパク質であるため、その構造や品質については、物理的化学的、免疫学的、生物学的方法などを用いて徹底的な解析が求められます。特に活性発現に重要な役割を担う糖鎖構造の解析には最先端の分析法を動員する必要があり、目下の課題です。また培養により製造するため不純物の多くも高分子であることから、有効成分や不純物がヒトに何らかの免疫応答を引き起こす可能性について� �安全性の面から十分に留意する必要があります。さらに、ヒトや動物の細胞を用いて生産される遺伝子組換え医薬品や細胞培養医薬品においては、ウイルス面からみた安全性の確保も重要です。従って、低分子化学合成医薬品に求められる基準を遵守しつつ、バイオ医薬品の製造・品質特性に応じた基準が上乗せされる分コスト面での負担も大きくならざるを得ません。 - バイオ医薬品の製造側面
バイオ医薬品はヒトや動物細胞を用いた培養法により製造されるためその品質は製造プロセスに依存する部分が多く、品質やプロセスの同等性の確保が求められます。製造上の特徴として、(1)セルバンク(細胞基材)、(2)細胞培養プロセスによる目的物質の生産、(3)培養物からの単離・精製があげられます。このうちセルバンクは、遺伝子組換え技術で目的物質を生産するための細胞基材であり、遺伝子発現構成体の構築から、マスターセルバンクの構築・管理、さらには実際の製造に使用されるワーキングセルバンクの構築・管理が製造上の最も重要な項目といえます。これらの製造プロセスは当然GMPで厳格に規定されることになります。その他主な管理項目として、製造方法の変更管理(スケールア� ��プを含む)、原材料の管理(トレーサビリティを含む)、製品管理(トレーサビリティを含む)、製造管理(微生物、ウイルスの除去とバリデーション)、機器・設備の管理(汚染防止など)などがあります。
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平成22年9月17日の事務連絡の「製剤開発に関するガイドライン」、「品質リスクマネジメントに関するガイドライン」及び「医薬品品質システムに関するガイドライン」に関する質疑応答集(Q&A)についてQ9に以下の記載と回答があります。
Q9: | 「リアルタイムリリース」と「リアルタイムリリース試験」の違いは何か。 |
A9: | ICHQ8(R2)においては「リアルタイムリリース試験」は「工程内データに基づいて、工程内製品及び/又は最終製品の品質を評価し、その品質が許容されることを保証できること。通常、あらかじめ評価されている物質(中間製品)特性と工程管理との妥当な組み合わせが含まれる」と定義している。 改定前のガイドライン文書中(ICHQ8(R1)、step2)の「リアルタイムリリース」という語は、この定義をさらに正確に反映させ、製品の出荷判定との混乱を避けるために、最終的にICHQ8(R2)第2部において「リアルタイムリリース試験」に改められた。 |
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リアルタイムリリース試験を採用した場合、出荷にあたって該当する試験項目(最終製品試験)を試験する必要はありません。ただし、リアルタイムリリース試験の結果が範囲外になった場合、あらかじめ定められた条件を満たせば、その規格項目に該当する従来の最終製品試験を実施し、規格に適合すれば、出荷することができます。
『「製剤開発に関するガイドライン」、「品質リスクマネジメントに関するガイドライン」、「医薬品品質システムに関するガイドライン」に関する質疑応答集(Q&A)』(事務連絡平成22年9月17日)では、以下のQ&Aが掲載されていますので参考になります。
2.2リアルタイムリリース試験
Q2: | リアルタイムリリース試験は最終製品試験が不要となることを意味するか。 |
A2: | リアルタイムリリース試験によって必ずしもあらゆる最終製品試験が不要とされるとは限らない。たとえば、申請者は一部の特性に限ってリアルタイムリリース試験を提案しても、又は全く提案しなくとも差し支えない。(リアルタイムリリース試験と関係する)すべての重要品質特性(CQA)がパラメータの工程内モニタリング及び/又は原料の試験により保証されている場合にはバッチリリースに最終製品試験が不要となることがある。安定性試験又は各極の規制要件など、特定の規制プロセスについては何らかの製品試験の実施が求められるだろう。 |
Q3: | 製品規格は、リアルタイムリリース試験を適用する場合にも必要か。 |
A3: | 必要である。製品規格 [「新医薬品の規格及び試験方法の設定について」(平成13年5月1日医薬審発第568号、医薬局審査管理課長通知)及び「生物薬品(バイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)の規格及び試験方法の設定について」(平成13年5月1日医薬審発第571号、医薬局審査管理課長通知)] は、リアルタイムリリース試験を適用する場合にも設定され、試験実施時にはこれに適合する必要がある。 |
Q7: | リアルタイムリリース試験の結果が規格外となる、又は、規格外に向かう傾向が認められる場合、最終製品試験を製品の出荷判定に用いることは可能か。 |
A7: | 不可能である。原則として、リアルタイムリリース試験の成績が製品の出荷判定に通常使用されるべきであり、最終製品試験による代替はすべきでない。いかなるものであれ、規格外については調査し、規格外に向かう傾向が認められる場合は適切に追跡管理する必要がある。しかしながら、製品の出荷判定はこれらの調査の結果に基づいて行うことが必要となる。製品の出荷判定は、製造販売承認の内容及びGMPを遵守して行う必要がある。 |
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回答者の経験では、航空会社では輸送中の製品に対する温度保証をしない場合が多く、そのため温度記録計を輸送時の梱包内に入れ複数回輸送試験を実施した上で輸送条件(最も安定した包装形態)を決定しました。また、注意すべき点として、通関までの期間保管されるエリアでの温度管理も重要となります。季節によって外気温度が異なりますので、思わぬところで封入していた保冷剤の効果が切れてしまい、問題となったことがあります。こうした点にも十分配慮した輸送形態とすることが求められます。
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ただし、出荷試験結果が頻繁に規格上下限になることは考え難く、今回の御質問のように95%になった場合には、Out of Trend (OOT)になると考えられます。OOTの判定や対応手順は各社で設定されていると思いますが、一般的に手順書には調査、追加試験(必要に応じて)、判定が規定されます。OOTとなった試験に関る調査を行い、原因が特定できなければ、複数回の追加試験を行ない、その結果をもとに品質管理部門で出荷判定を行なうことになります。出荷判定に当たっては、分析方法のばらつきや製剤の安定性、これまでのロットの傾向、原材料や製造工程の変動、試験項目の重大性などを勘案する必要がありますが、例えば、追加試験の個々値が全て規格範囲内であれば、出荷を許容できる場合もあります。
本来、定量の試験法は製剤のバラツキ、試験法のバラツキを考慮して設定されているはずであり、今回のOOTの原因を明確にする必要があります。 従って、分析のバラツキや製剤の安定性や特性などを考慮した上で、出荷するリスクをどのように考えるかが重要です。
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